昔、夢中で読んだ「らんま1/2」。大人になって読み返しても、やっぱり最高です。
このブログでは、そんな“らんま愛”を込めて感想を書いています。
※本記事には『らんま1/2』第9話のネタバレが含まれます。未読の方は原作を先に読むことをおすすめします。
第9話「笑うとかわいいよ」あらすじ
あかねの初恋相手・東風先生の気持ちが「かすみお姉ちゃん」に向いていることに切なさを感じるあかね。
診察室では先生と乱馬とあかねの掛け合いが繰り広げられるも、かすみ登場で先生がまさかの行動に。
一方、落ち込むあかねを励まそうとする乱馬は、さらっと本音を口にします。
「だけどおめー…笑うとかわいいよ。」
この一言にあかねの心は揺れて――。
初期ならではの、素直でぎこちない二人の距離感が楽しめるお話です。
東風先生とかすみさん
あかねの思い人は、ご近所の東風先生。
しかし、その想いは報われません。なぜなら先生の好きな人は――自分の姉である「かすみお姉ちゃん」。
待合室で乱馬とあかねは話をしてます。「東風先生 かすみお姉ちゃんが好きなのよ。態度みてればわかるもん。」
あかねの言葉に、乱馬はなんとも言えない表情を浮かべます。
その後、帰りそびれたあかねと乱馬は診察室へ。
乱馬の頬の跡を見て「これはあかねちゃんの打球だろ」と笑う先生。
すぐさま始まる乱馬とあかねの口げんか――“打球にも狂暴性がにじみでるのかなあ。”、“なによっ!!あんたがぼーっとしてるから”…
そんな二人を、先生は(あかねちゃんの打球というのは)「冗談だったんだけどね」といい、「だって…」とあかねをさらに赤面させます。
そこへ「ごめんくださあい」と現れたのは、かすみさん。
直後に「ごきゅっ」という音とともに乱馬の首が左に90度に曲がってしまうのでした。
かすみを前にした東風先生は大崩壊。
クッキーの皿をそのまま食べようとしたり、「包んでる布=マスク」と思って口に装着するなど珍行動を連発。
かすみは「東風先生っていっつも面白いかたねえ」とあかねに話しかけます。
あかねは「お姉ちゃんがいない時は違うんだけどな」と小さくつぶやき、切なさをにじませ、「先帰るね。」と先に家に帰宅するのでした。
忘れ去られている乱馬は、「せんせい!」「くびがいたい。」と訴えるものの、かすみさんがすぐ横にいるために冷静な判断ができていない東風先生によって、逆向きの右に90度曲げられてしまうのでした…。
東風先生の天然キャラが光る
改めて読むと、東風先生って地味にすごいキャラですよね。
子どもの頃は「ご近所の憧れの先生」という印象しかありませんでしたが、実際はかなりの天然かと。
乱馬とパンダ姿の玄馬を見比べて「似てないね」と言ったり、パンダのままの玄馬に電話対応をお願いしたり……。
かすみさんと一緒にいるときの挙動不審っぷりも含め、ある意味“お似合いの二人”に見えてしまいます。
乱馬の励ましと、あかねの揺れる心
首が曲がったまま帰宅した乱馬(笑)。
道場横で稽古に打ち込むあかねの姿を発見。「元気出さなくっちゃ…」と心で決意をしている彼女を、変顔で励まそうとします。
「なんなのよ、あんたはっ!!」とあかねに顔をぐしゃっとされると――奇跡的に首が治る乱馬。
「じゃあちょっと付き合ってよ」と始まる手合わせ。
格闘センス抜群のあかねですが、乱馬はそれを余裕でかわします。
「本気でやらなきゃ、ストレス解消にならないでしょ!」と苛立つあかねに、
「そんなに怒ってばっかいて疲れねーか?」と乱馬。
そして――
「だけどおめー…笑うとかわいいよ。」
突然の一言にあかねは「え…」とドキとして、驚いた顔をします。
すかさず乱馬は「スキあり!」と指であかねの額をトンっと押し、反撃します。尻もちをついたあかねは「ずるい!」と叫ぶのでした。
乱馬の言葉にドキッとするあかね
やはり今回の見どころはここ。
「笑うとかわいいよ。」
乱馬がまだ余裕を持って、自然に言えちゃう初期だからこその名場面です。
あかねが驚き、たぶん初めて乱馬を意識した瞬間。
そして読者まで一緒にキュンとしてしまうシーン。
物語が進むと素直になれない二人ですが、この時期のときめきは本当に貴重です!!
令和アニメでも、神回の映像になってますので、ぜひご覧ください!
夜のひとときと余計な一言
その夜。
お風呂上がりのあかねは、乱馬の言葉“笑うとかわいいよ”を思い出して「本気かなあ」と鏡に向かって微笑みます。
そこへ、窓からひょっこり顔を出す乱馬。
「なに一人でにやけてんだ。気持ちわりー。」と余計な一言。
次の瞬間――「ばちーん!」
夜空に響く平手打ちの音とともに、乱馬の首はまたもや90度に曲がってしまうのでした。
まとめ
第9話は、東風先生とかすみさんの関係性と、乱馬とあかねの距離が一歩近づく回。
あかねを励まそうとする乱馬の言葉に、彼女が心を揺らす姿が印象的でした。
ただし最後の“余計な一言”で台無しにしてしまうあたり、乱馬らしさ全開。
笑いとドキドキが同居する、らんまらしいエピソードでした。