【らんま1/2】第8話 感想|好きな女がいるんだから

ストーリー解説・名エピソード

昔、夢中で読んだ「らんま1/2」。
大人になった今、改めて読んでみると…やっぱり最高でした。
このブログでは、そんな“らんま愛”をこめて、感想を気ままに綴っています。令和にもう一度、あのワクワクを――。

※本記事には『らんま1/2』第8話のネタバレが含まれています。まだ読んでいない方は先に原作を読むことをおすすめします!

第8話「好きな女(ひと)がいるんだから」あらすじ

乱馬と玄馬の朝稽古から一日が始まります。天道家の朝食では、姉かすみから東風先生に本を返すようにお願いをされ、動揺するあかね。
逃げるように学校に登校したあかねとらんまの前に、久能先輩が立ちふさがります。
久能は”あかねくんもおさげの女も…”と予想外の発言で、三角関係はさらに混乱していきます。
体育の授業中の、乱馬のあかねへの絶妙な思いと、放課後の東風先生とのやりとりから、あかねの気持ちが垣間見える切ない場面と、最後に意外な展開が待っていました…

感想:笑いあり、涙あり。久能の純粋さと、あかねの初恋の切なさが同居する回

扉絵が伝える“初恋の切なさ”

今回の扉絵はとても印象的でした。二枚の写真が並んでいて、一枚は笑顔のあかね、もう一枚はその笑顔を横顔でのぞく乱馬。
あかねの屈託のない笑顔もかわいいのですが、どこか照れくさそうに、それでいて意味ありげにあかねを見つめる乱馬の写真にグッときます。
同一ページに二人の写真を並べる演出も効果的で、あかねの恋の結末を知っているからこそ、余計に胸に響くのかも…と感じさせる扉絵でした。

パンダ看板、ついに初登場!

朝稽古から始まる第8話。乱馬と玄馬の親子稽古は相変わらずドタバタ。
かすみさんの「朝ごはんですよー」という優しい声かけに、玄馬が愛想笑いを浮かべた瞬間、そのまま池に落ちてしまう二人。

そしてついに、らんまファンおなじみの 「パンダの看板(プラカード)」 が初登場!
「わたしはきょうからバイトする」と書かれた手持ち看板で意思表示をする玄馬。今後、この看板はギャグ演出に欠かせない存在になっていきます。
ちなみに令和アニメではパンダの時は無言ですが、平成アニメ版では玄馬役・緒方賢一さんの素晴らしいアドリブが炸裂。自由さは当時のアニメらしさもありますが、勢いとコミカルさに思わず笑ってしまうんですよね。よりパンダ(玄馬)のいい加減さがでていて、魅力的なマスコットになってました笑。

天道家の朝は大騒ぎ

池から出てきた女姿のらんまは上半身裸で服を絞る“男子あるある”を披露。
「あんたって人はっ!!女のつつしみがないの!?」とあかねに怒られつつ、お湯をかけられる乱馬。
こうしていつも通りのドタバタな天道家の朝がスタートします。

朝食の場面では、かすみさんがあかねに「借りっぱなしだった本。返してきてほしいんだけど。」とお願いします。本のタイトルは「人体の急所」。にこやかな笑顔と物騒な本のギャップにクスッときます。
あかねは「かすみおねーちゃん、自分で行きなよ。」と言うものの、乱馬は「行けよ、いい口実じゃねーか。」と無神経発言。
あかねは慌てて「乱馬、遅刻よっ。」とおさげ髪をぐいっと引っ張り、二人で登校することに。

この移動シーンがとてもコミカルで、おさげを引っ張りながら走るあかねのコマ がとても可愛いんです。ギャグシーンなのに、どこか青春っぽさも感じさせます。そして片手で乱馬を引っ張るあかねちゃん、力持ち笑。

久能先輩、また登場!

学校に着いた二人。しかし登校途中で水をかぶり女の姿になっていたらんま。
姿がかわっていたことに気づかなかったあかねはビックリです。そこに校門であかねに交際を申し込みたい男子生徒たちと遭遇。
彼らは”久能が負けたから婚約を認める”と泣きながら宣言。
そこへ包帯ぐるぐる巻きの久能先輩が登場!

久能「ぼくは、あきらめんぞ。早乙女ごとき腰抜けの蹴り、百や二百くらったところで痛くもかゆくもないわ。」
らんま「誰が腰抜けだ、誰がっ。負け惜しみもたいがいにしやがれっ!!」

自分が女の姿になっていたことを忘れて言い返したらんまですが、久能は女姿のらんまを見て「おおおおおおおおおおお!おさげの女ではないかっ!」と大喜び。

久能の情熱的な「会いたかった…」と涙に、らんまは呆れつつも「おまえ、あかねが好きなんだろ。」と言い返します。

「あかねがみてるぜ。」と話題を振られたあかねは「久能先輩、その子が好きなら、私は身を引きます。」と発言。
すると久能は考えた結果…「二人とも好きだあーっ!!」と叫び、らんまとあかねから鉄拳を食らわせられるのでした。

人を同時に好きになる久能先輩の思い

二人を同時に好きだと堂々と宣言できる久能先輩。普通なら罪悪感が芽生える場面ですが、彼は真っ直ぐ。ある意味で羨ましいほどの純粋さでした。
ただし、乱馬とあかねにとっては迷惑極まりないんですけどね(笑)。

体育の授業と、ふとしたときめき

舞台は体育の授業へ。
クラスメートから”おまえとあかねってどうなんだ?”と質問攻めにあう乱馬。男子高校生っぽいノリが伝わるシーンです。

「誰があんなかわいくねー女と…」と乱馬はクラスメイトには言いますが、授業でソフトボールをしているあかねを見て…。

ドキっとときめく描写が挟まれます。

なんとなく気になりつつも、「だいたいあいつはちゃんと好きな男が…」と話をしていた瞬間、あかねの打球が乱馬の右ほほを直撃!

“拳法の達人なんだから避けられなかったのか?”とのクラスメートの突っ込みに、「ちょっと考えごとを…」と乱馬はつぶやくのでした。

いい雰囲気がすぐ壊れる、この“らんま節”が最高です。

クラスメートの名前は?

ちなみにこの時のクラスメートは、平成アニメでは「ひろし」と「大介」と名付けられています。原作ではたしか名前は出てきてないのですが、今後もちょくちょく登場してくるので、読者としてはちょっと嬉しい存在です。

東風先生の病院で…あかねの本音

放課後、乱馬とあかねは治療のために東風先生のところへ。入り口にはパンダ姿の玄馬が。アルバイト先は東風先生のところだったようです。

パンダ姿で入口を掃除する姿に、もし子供たちがその姿を見つけたら、きっと喜んで病院に行ってくれるだろうなと妄想してしまいます。

乱馬の頬の治療中、病院に電話が鳴ります。東風先生が「すいません早乙女さん、電話とってくださーい。」との声かけが。

アルバイトのパンダが電話に出るも……「しまった バンダはしゃべれない」とのプラカードが笑。見かねたあかねが電話の対応をします。
電話のあと、帰宅しようとするあかねに、乱馬は「ゆっくりしていけばいーじゃねーか。」と言葉を投げ掛けます。「おめー、先生のことが好…」言葉の途中で、あかねは乱馬の口を押さえて遮り、切なそうにこう言うのです。

「やめて。東風先生好きな人いるんだから。今の電話…これからすぐ来るって…」

ここで一気にシリアスな空気が流れます。
初恋の切なさ、身を引く決意。あかねの表情が印象に残るシーンでした。

そこへ現れたのは…

杖をついたかわいいおばあちゃん!

先生が好きな人=おばあちゃんと勘違いした乱馬は、思わず「しぶい…」とつぶやくのでした。すかさず「ち・が・うっ!!」と突っ込むあかね笑。高橋留美子作品らしいオチに思わず笑ってしまいますね。

そんなオチのあとにかかれていた、最後のコマにいたのは…かすみお姉ちゃん??

感想まとめ

第8話は、ギャグと恋愛のバランスが絶妙な回でした。
久能先輩の迷惑すぎる純粋さもありつつ、あかねの切ない気持ちが描かれ、乱馬も少しずつ彼女を意識し始めている様子。
そして何より、冒頭の扉絵とラストの病院シーンが、この物語に“青春の痛み”を感じさせるスパイスになっています。

東風先生の好きな人は誰なのか、次回が楽しみですね。

まさ

小学生の頃に『らんま1/2』に出会い、アニメ・原作漫画にどっぷりハマる。
令和になって再び「推し活」として『らんま』を再読し、ファンサイト「らんまメモリーズ」を立ち上げました。
2024年〜2025年にかけて展開される新作アニメにも注目中!

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