昔、夢中で読んだ「らんま1/2」。
大人になった今、改めて読んでみると…やっぱり最高でした。
このブログでは、そんな“らんま愛”をこめて、感想を気ままに綴っています。令和にもう一度、あのワクワクを――。
※本記事には『らんま1/2』のネタバレが含まれています。まだ読んでいない方は先に原作を読むことをおすすめします!
第5話「木の上のヤカンの女へ」あらすじ
前回の決闘の続き。プールに落ちた久能先輩を助けようとするらんまだったが、乱馬の胸元の“違和感”に驚く久能。正体がバレることを怖れたらんまは逃走する。
木の上で服を整えるらんまのところにあかねがヤカンを持って登場。
だが、再び久能が現れ、事態は新たな混乱へと進んでいく――!
感想:勘違いが恋を呼ぶ!?混乱とトキメキのラブコメ第5話!
決闘の続き、まさかの接触
プールの中で気絶した久能を助けた女らんま。
が、背後から抱きつかれたその瞬間、胸元の感触に久能が「?!」と固まる。
久能の脳内に走る疑問と違和感…らんまは迷わず久能をプールサイドに投げ飛ばし、即逃走。
3階から様子を見ていた生徒たちも、「早乙女くんの体……ひとまわり小さく見えなかった?」とざわつきます。
正体バレの足音が、じわじわと迫ってきています。
早々にバレた!?とドキドキしますが…決定的な出来事なのに、久能先輩は気づいていない様子。ちょっとズレたところが面白いです(笑)
木の上のらんま。美しすぎる一瞬
逃げたらんまがいたのは、校内の木の上。ズボンを絞る姿がなんとも印象的。
特にこのシーンのらんまの足のラインの描写が、高橋先生の画力が光る美しさ!さすがラムちゃん(うる星やつら)の生みの親。
女の子キャラの“かわいさ”を描かせたら、右に出る者はいません。
1話から、男乱馬は格闘をやっている男性らしく、女らんまは話し方や振る舞いは男の子だけど、たまにみせる、照れた表情やプロポーションの良さを魅力として描かれている印象がありますね。
そんならんまのもとに、あかねがお湯入りのヤカンを持って登場!
らんまの体質を理解して行動してくれる、あかねちゃんの思いやりがにじみ出ています。
あかねはもちろんスタイルも良いのですが、それ以上に、人への気配りや包容力といった魅力が伝わってきます。見た目だけではない、内面のあたたかさがとても素敵です。
再び久能乱入、からの空中衝突!
あかねとらんまが話しているところに、またもや久能先輩が現れます。
時間稼ぎのため、あかねは自ら久能に勝負を挑み…なんと投げ飛ばします!
そして、空を舞った久能はそのまま木の上のらんまがもっているヤカンに「くわん」と直撃!(笑)
現実ではありえない図(頭がヤカンにめり込んだまま。普通にらんまと会話する久能)ですが、この一連の流れ、完全にギャグ時空。テンポの良さが最高です!
らんまの怒りと久能の勘違い
女の姿のまま久能と対話するらんま。
久能は「きみ、おさげ髪の妙な男の行方を知らんか?」と尋ねますが、らんまは首を横に振ります。
と、「勝負なかばで逃げおって。(中略)あんな腰抜け男じゃない男じゃない男じゃない!」と吐き捨てます。
それを聞いたらんま、イラッとしてやかん(久能先輩がめり込んでいる)を地面に落とします!
女の姿だけど、完全に素に戻ったらんまは久能先輩に勝負を挑みます。そして顔面キックで倒します。
その戦いぶりに、久能もただならぬ強さを感じ始めます。でも、まだ正体には気づかない…このズレ加減がクセになります。
1980年代の価値観を背景に楽しむ
初期の『らんま1/2』では、「男らしさ」「女らしさ」といった描写が随所に見られます。
令和の今では、こうした価値観に違和感を覚える方も少なくないかもしれません。
ただ、この作品が連載されていたのは1987年(昭和62年)。当時は、性別によるイメージや役割が今よりもずっと強く描かれる時代でした。
その時代背景の中で描かれた作品として、ある種の“時代性”を感じながら読んでもらえると、より楽しめるのではないかと思います。
夜、乱馬の気持ちが少し変わる
夜、天道家にて。道場に乱馬と玄馬が修行をしているようです。
玄馬に「学校で相当あかねくんの世話になったそーだな。」と言われた乱馬。「別に頼んだわけじゃねーもん。」と父親の言葉に素直ではない態度で返答します。
このシーン、たった一コマですが、玄馬の“父親っぽさ”が表現されてて良いです。
ちゃらんぽらんな父親というイメージが強い玄馬ですが、ちゃんとお父さんしてるんだなと思いますね。
そして、そこに高校生らしい、乱馬の返し。すごくリアルな家族の会話。
その後にちゃんとあかねにお礼を言いに行こうとする乱馬の描写が、素直でいい子だなと思います。
その頃、あかねの部屋にはなびきがいて、今日の出来事について話しています。
なびき「だいたいあかねっておせっかいなのよねー。いーじゃない、男が女に変わったとこで。」まるで他人事のように軽く流して見せます。
あかねは乱馬と許嫁のことを学校でばらされているので、「あたしまで変態仲間だと思われちゃたまんないわよ。」と、返します。
この場面も家族の会話らしくて、あかねの本心ではない照れ隠しのような言葉が、どこか切なくリアルですね。
そんなやりとりを部屋の外で聞いてしまった乱馬は、結局お礼が言えなくなってしまいます。
「誰が礼なんかいうかっ。」と何も言わずに部屋を後にします。
この辺りから、乱馬とあかねの“素直になれない関係性”の描写が始まっていたことに気づき、少し驚きました。これからの物語を知っているためか、キュンとする場面ですね。
木の上の彼女、正体は…
次の日、久能先輩はなびきに、昨日の木の上にいた女の子について質問。
そして渡したのは――果たし状!?
指定された時間に女の姿で行くらんま。
果たし状=再戦かと思いきや、久能先輩が言い放ったのは…
バラの花束を投げ、「好きだ」と告白。
このシーン、正直かっこいい。久能ちゃん、情熱的なロマン主義者ですよね。
でも相手が乱馬(=男)と知らずに全力告白してるのが、“るーみっくワールドらしい”残念さと愛しさに溢れています。
言われたらんまは、思わずへなへなと座り込み…。波乱しかない関係の幕開けとなりました。
まとめ
第5話「木の上のヤカンの女へ」は、らんまと久能先輩の勘違いがさらに深まり、そこにあかねのやさしさや乱馬の戸惑いが加わることで、ギャグだけでなく、“青春のすれ違い”のような甘酸っぱさも感じられる一話でした。
・戦いの中にも“絆”が見え隠れ
・あかねと乱馬、それぞれの不器用な優しさ
・久能先輩の全力勘違い劇場(笑)
ひとつひとつの描写がテンポよく繋がりながら、らんまワールドがどんどん色濃く、深くなっていく感覚。
次回の展開がますます楽しみです!